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二人の関係
何もかもが終わり、シンジ達は普通の学生生活を続けて何年の月日が流れた。
アスカは何日か前にネルフ一行で旅行に行っていた。シンジはいつも早起きだったが最近は今までの疲れが出てきたのか、ミサトよりも起きるのが遅くなっていた。
アスカは旅行でいない。ミサトは面倒くさいので起こさない。そんな中シンジはゆっくりと寝ていた。嵐の元凶が帰って来るまでは・・・
○ミサトの自宅玄関
ミサトが玄関で靴を履いている。今日は出勤らしい。ミサトが靴を履き終えて玄関を開けるとそこにはちょうど旅行から帰って来たアスカがいた。
重い荷物を持ちながらアスカはちょうど出てきたミサトに言った。
「ただいま」
「あらお帰り〜。旅行どうだった?」
ミサトとシンジも旅行に呼ばれたのだが、シンジは予定がありパス。ミサトは行方不明の加持の情報収集を行なっていた(やっぱり気になる)ので家にいなかった。だが旅行に行っていたら波乱に満ちただろう。あえて行けなかったのは正解かもしれない。
「まぁまぁってところね。所でシンジはどこにいるの?」
アスカは靴を脱ぎ家に入りながら言った。
「まだ寝てるわよ。起きたらケイジに来るように言っといてね」
アスカは感嘆のようなあきれた声で叫んだ。
「あの馬鹿まだ寝てるの?」
「今まで休みという休みは無かったからね。その反動でも来たんじゃない?それじゃたのんだわよ〜」
いつもどおり人に任せて出て行くミサト。どうやらこの性格はいつになっても変わらないらしい。一緒に住んでいるシンジも大変だね(一様住まわして貰ってるんだけどね)
アスカは何もする事が無い事に気づいた。
「さて久しぶりに帰ってきても暇だし、仕方ないからシンジでも起こしてあげるとしますか」
暇つぶしにシンジを起こす事にした(暇つぶしに起こして欲しくね〜)
勝手に部屋にずかずかと押し入るアスカ。
○ シンジの部屋
シンジはまだ気持ち良さそうに夢の中にいた。起きる気配は無い。
「Zzz・・・うぅん・・・」
忍び寄るアスカ。シンジはまだ起きる気配は無い・・・
アスカはシンジの横にまで来て、顔を耳元に持っていく。そして深呼吸をし・・・
「こら〜っ!起きろ〜っ!久しぶりに帰ってきたのに出迎えもせずにいつまで寝てるつもりなのよ!」
突然耳元で叫ばれたシンジは大声を上げながらベットから転げ落ちた。
「うわぁぁぁぁぁぁ!」
アスカはベットから情けなく転がり落ちたシンジを見下ろす。
「はぁっ・・・無敵のシンジ様が今やこんなんじゃ世界の終わりね・・・」
シンジは情けなく起き上がる。
「いててっ、帰ってきて早々にこんな事するなんてヒドイじゃないか〜アスカ!」
文句を言うシンジに間髪入れずにアスカが言い返す。
「せっかく起こしてあげたのにそんなこと言う?ミサトが
10時にケイジまで来てくれって言ってたのに。今9時よ分かってんの?」
ごちゃごちゃ文句を言われるぐらいなら起こしてくれない方がマシというものだ。
「起こしてくれるのはいいけどこんな起こし方ヒドすぎるよ。何も耳元で叫ばなくても十分起きられるよ」
確かに、アスカの叫び声で鼓膜が破れたら大変だ(シンジが起きられるかどうかは問題じゃないのか?)
まだごちゃごちゃと言っているシンジの口にアスカがピリオドを打った。
「そんなことどうでもいいわ。さぁ早く着替えなきゃ遅れるわよ!」
「分かってるよそんな事」
二人はしばしの沈黙に包まれる。
「・・・・」
「・・・何?・・・着替え・・・見たいの?・・」
パン!
アスカの平手打ちが炸裂し、シンジはベッドの上に倒れた。
シンジはベットの上でぼそりと呟いた。
「・・・痛い・・・」
そういえば今までアスカにこれまで何回叩かれたんだろう?と、ふと考えてしまったシンジだった。
○ ネルフ前ゲート
すぐに着替えてネルフまでやって来たシンジ。隣にはアスカが何故か付いて来ていた。
「ミサトさんが僕を呼ぶ時いつも嫌な事ばかりなんだよなぁ」
文句を言いながらシンジはカードキーを通すのを躊躇している。
「男でしょう!ぶつくさ言わずにさっさと行くわよ」
シンジに渇を入れてシンジを促すアスカ。
シンジの言う事も一理あるがアスカのいう通りに行かなければ話は進まないのだ。
○ ケイジ
一方シンジ達がゲートにいる頃リツコ達はシンジを待っていた。
「シンジ君はまだなの?」
ミサトはまだかまだかと忙しなかった。
「10時って言ったのになぁ・・もうすぐ来るわよ・・・多分・・・」
確かにもうすぐ来るはずなのだ。だがその頃シンジ達は・・・
○ Dエレベーター内
エレベーターの中に作業員が右往左往する中を切り抜けてきたシンジ達がいた。
アスカはご機嫌斜めの顔をしていた。
「何でここまで来るのにあんな人ゴミを通らなきゃいけないの!」
アスカをなだめようとシンジは努力をしていた。
「なんか忙しそうにしていたね」
シンジはとりあえずこれ以上怒らせないような言葉を選んだらしい。
「冗談じゃないわよ!ぶつかっといて一言も無しよ!」
何で謝まるぐらいしないのなどと言いながら作業員に突っかからなかっただけアスカにしてはマシである。従業員は寿命が縮まらずに済んだだろう。
「そんなに怒るなら来なければ良かったじゃないか。呼ばれたのは僕だけだし・・・」
ちょっとまずい言葉を口にしたシンジ。
「うるさいわね!どうしようが私の勝手でしょう!」
シンジが口に出した結果、火がついた。
「そんな無茶苦茶な・・・」
アスカの無茶苦茶ぶりは昔からなのでシンジはアスカをなだめる事を諦めた。
そんなこんなでいつの間にか10時はとっくに過ぎていた。
その頃リツコ達は・・・
○ ケイジ
シンジ達を待っていていい加減痺れを切らしたリツコがいた。
おでこには欠陥が一部浮き出していた。想像すると怖いだろう・・・(でも想像しちゃうんだよね。これがまた)
完全に待ちきれなくなってきたリツコは低い声でミサトに訊いた。
「ミサト・・・シンジ君遅すぎるわよ・・・ホントにちゃんと言ってきたの?」
ちゃんと言ってきたという言葉に焦りを見せるミサト。
「当たり前でしょ。ちゃんとアスカに言っといてって・・・あ・・」
とうとうぼろが出た。そんなミサトを見ながら。
「はぁ・・・そんな事だろうと思ったわよ」
リツコの気がちょっと緩んだそのときシンジ達がケイジに到着した。
もう少しでリツコの怒りが爆発する所を見られたのに・・・
駆け寄ってくるシンジとアスカ。
「すみません。遅れました」
おろおろしていたミサトがシンジに八つ当たりをする。
「遅いじゃないの!何やってたのよ!」
「冗談じゃないわよ!こっちは死にかけて来たんだから!」
「別に死にかけては・・・」
シンジは訂正しようとしたがアスカの言葉に遮られた。
「同じ事よ!」
シンジはアスカの気迫に押されて何も言い返せない。
シンジは何とか話を別の方向にずらした。
「・・・とっ、所で何ですか?用事って」
無理矢理話を切り替えたがやっぱり動揺の色は隠せないシンジだった。
「用って程じゃないの。今日で初号機が見れるのが最後になるから見学でもさせてあげようと思ってね」
シンジはアスカ達があれ以上ヒートアップしなくて良かったと、ただそれだけを思っていた。
○ カフェ
初号機の凍結も終わり、立ち話もなんだという事でここに来てはや1時間。
「・・・・・」(喋ってます)
「・・・・・」(一応喋ってます)
「・・・・・」(何度言おうが喋ってます)
リツコが時計の方を見る。
「もう時間だわ。行くわよミサト」
リツコとミサトが会計を済まして出て行く。シンジとアスカだけが残された。
「シンジこの後予定ある?」
「全然。何にも無いよ」
「今持ち合わせ幾ら位ある?」
シンジは財布の中を覗き見る。
「大した事に使ってないから結構持ってるよ。残りはいっつもミサトさんに生活費だとか言って取られるし」
アスカは笑みを浮かべる。
「どうせ家に帰っても暇なんでしょう?だったら今から商店街にでも行こうよ!さ、早く早く!」
シンジは返事も言えないままアスカに引きずられる用に連れて行かれた。
○ 商店街
使徒が出なくなってから人と活気が出てきて、初めに建てられたのがこの総合商店街だった。この商店街の中の一画の店の中にシンジとアスカはいた。
「このアクセサリー可愛いい。あ、こっちのもいいなー。ね、シンジはどっちがいいと思う?」
シンジは違う事を考えてたので、アスカの声は届いていなかった。
「(アスカも女の子らしくなってきたなぁ〜)」
シンジはアスカがこっちを見ている事に気づいた。
「ん?何?何か言った?」
「これとこれのどっちがいいかって聞いてるの」
シンジはしばし悩んだ。
「どっちも決められないなら両方買っちゃえば?」
シンジの答えにアスカは少ししょぼんとした。
「旅行でほとんど使っちゃって1つしか買うお金が無いのよ」
この時の“使っちゃって”と言う言葉の中に、「ミサトに生活費を取られた」という意味も必ず含まれていた事だろう。
「それなら僕が買ってあげるよ。すみませんこれ下さい」
レジのお姉さんにアクセサリー2つを渡し、シンジは会計を済ませ戻ってくる。
「はいプレゼント。2つとも買ってきたよ」
買ってきたアクセサリーが入った包みをアスカに渡す。アスカは少しドキッとした。
「ほんとに貰っていいの?」
「欲しかったんでしょ?別にいいよその位なら。お金ならまだまだいっぱい余ってるし、僕は当分使う予定も無いし」
シンジは辺りを見回した。
「今から映画でも行こう。さぁ、早く」
二人はまばらな人ごみの中、映画館の方へ消えていった。その後にさっき二人が居た場所に見知った顔が2つあった。
「シンジ君も隅に置けないな?ゲンドウ」
「冬月。あまりあの二人の事を言わないでくれ。頭が痛い」
一方シンジとアスカは夜の8時まで遊び通したらしい。
○ 学校
今日は学校があるので朝から退屈な授業を聞いているシンジ。
時間は一向に止まる気配を見せずにただ進んでゆく。
そして4時限終了のチャイムが鳴り響き、昼休みが始まった。
シンジと同じく退屈そうに授業を聞いていたトウジが動き出した。
「やっっっっと昼やなぁ。授業なんかやっててもつまらんで。シンジ!久しぶりに屋上に飯食いに行こうや!」
最近いつもの事だったのでシンジは躊躇い無く応える。
「うん。いいね」
その時シンジの傍にいつの間にかアスカが来ていた。
「シンジ!屋上に行こ!」
シンジはいきなり現れたアスカに引っ張られクラスの皆の視線を感じながら教室を後にした。
教室には一人取り残されたトウジがいた。
「何やあいつら。何だかんだ言っといて付きおうとったんかいな・・・ええのー彼女のいるもんは・・・」
トウジは昼食を買いに一人教室を後にした。
○ 学校屋上
勝手に引っ張られてきたシンジがいた。
「何なんだよ一体」
アスカは少し赤い顔をしながら持っていたカバンから弁当箱を取り出した。
「昨日のお礼にと思って作って来たの。一緒に食べよ」
アスカの料理がどんなのかは知っていたシンジだったが折角自分の為に作って来てくれた弁当を貰うのを断るにもシンジの性格では絶対断れなかった。
「分かったよ。食べるよ。でも後でトウジに謝っといてよ。トウジが一応先客だったんだから」
アスカに愚痴を言いながらも自分の分の弁当を貰い、食べ始める。
「モグモグ、なかなか、モグモグ、前のアスカの料理よりは、モグモグ、美味しいよ、ゴックン、腕が上がったね」
アスカは自分の作った弁当をシンジが美味しそうに食べてくれるのが嬉しかった。
「旅行に行く前に、ヒカリに一日中料理を教えて貰ったのよ」
「なんだ、そうだったの。でもよっぽど頑張ってきたんだね。味で分かるよ」
「そうよ。頑張ったわよ。私にかかれば料理もこんなものよ。どう?すごいでしょ?」
シンジの反応が無いのでシンジの方を見ると痙攣しながら目を回していた。
「あちゃー。やっぱりこのキノコはまずかったわね」
アスカの弁当の端には調理されたキノコの山が除けてあった。
シンジはアスカが呼んだ先生達によって保健室に運ばれた。
キノコに強い中毒性は無かったので処置は保健室で安静になった。
○ 保健室の個室
放課後。保健室のベットの上で昏睡し、夢の中を漂うシンジ
その時シンジの横に授業を受け終えたアスカが忍び寄ってくる。
「こら〜っ!!!起きろ〜っ!!!いつまで寝てるつもりなのよ!」
「うわぁぁぁぁぁぁ!!!なんだぁぁぁぁ?!
シンジは叫びながらベットから転げ落ちた。
アスカはやりすぎたかなぁ、と一瞬思ってしまった。
突然シンジが痛さに嘆きながら起き上がる。
「いててっ。何で僕こんなとこにいるんだ?」
「屋上で急に倒れたから先生にここに運んでもらったのよ」
自分のせいなのにその部分だけ省いて説明するアスカ。シンジは何も覚えていなかった。
「そうだったんだ。何かさっきから体を動かしたくてしょうがないんだけど」
「それなら今からまた商店街にでも行こ!」
「そうだね。行こうか!」
二人は商店街へと繰り出した。
この後二人が家に帰って来たのは9時位だったと言う。
次の日から学校では2人は付き合っているという噂(本当に付き合っているのかどうか2人しか分からない)が校内を駆け巡っていたと言う。
fin
デニム「Maguroさんより「アウターゾーン」の修正作品をいただきました」
アスカ「ただし、本人の強い要望によって初版「アウターゾーン」は消去となったわよ」
デニム「もし、前作が見たいという方がいらっしゃったら、ご本人にメールでご連絡ください」
アスカ「もちろん、感想も書いてあげるのよ?わかった?」
デニム「それではこのへんで…あ、いけない」
アスカ「どうしたの?」
デニム「SS久しぶりに見たから感想述べるの忘れちゃった」
アスカ「あ…」
デニム「それじゃ…前作より、ギャグはないぶん、すっきりした形で仕上がってると思います。
ただ、初号機の凍結の理由とか、詳しく書いて欲しかったですね。他にはもちろん告白シーン(^〜^)」
アスカ「(真っ赤)…だったら、聞いたらいいじゃん」
デニム「そうですね。皆さんも感想といっしょに聞いてみてはどうでしょうか?」
まぐろさんへの感想はこちらへお願いします。
jeimusubond@hotmail.com
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