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碇シンジは、意識はあるものの人格、精神が崩壊し、生きているだけの植物人間と化していた。
現在の医学を持ってしても直らず、医者からは見離された。
惣流アスカ・ラングレーは碇シンジの看病をすると言い張り、 シンジの看病をすることになった。
シンジは、元に戻る。きっと、きっと・・・・。
『雨−ame−』
by ジャッカル/Jackal
あの花火の日から1年が過ぎ、梅雨の季節を迎えた。
雨は降り続き、止む気配すらない。相変わらずシンジは植物人間状態だ。
「うっとしい雨が続くわね。まったく、洗濯物も乾かない。」
6月6日、シンジの誕生日だ、今年で26歳。
10年も考えてみれば直ぐに過ぎてしまった気がする。
いつまで続くのかな・・・・。
会いたい・・・・。シンジに会いたい・・・・。
こんなイイ女をほっとくなんて、ほんとのバカだぞ・・・・。
私は反応しないシンジを優しく抱き寄せた。
シンジの体からは暖かい、生きている証拠が感じられる。
ねぇ、シンジ・・・・何時帰ってくるの・・・・。
「ねぇシンジ・・・何時帰ってくるの・・・・。」
「ねぇシンジ・・・何時帰ってくるの・・・・。」
「ねぇシンジ・・・何時帰ってくるの・・・・。」
「ねぇシンジ・・・何時帰ってくるの・・・・。」
「ねぇシンジ・・・何時帰ってくるの・・・・。」
「ねぇシンジ・・・何時帰ってくるの・・・・。」
「ねぇシンジ・・・何時帰ってくるの・・・・。」
「ねぇシンジ・・・何時帰ってくるの・・・・。」
「ねぇシンジ・・・何時帰ってくるの・・・・。」
「ねぇシンジ・・・何時帰ってくるの・・・・。」
「ねぇシンジ・・・何時帰ってくるの・・・・。」
「ねぇシンジ・・・何時帰ってくるの・・・・。」
「ねぇシンジ・・・何時帰ってくるの・・・・。」
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誰だろう・・・・・、いつも僕に話し掛けて、僕を包んでくれている。
僕には誰もいない、誰も側にはいないんだ・・・・。
いてはいけないんだ。相手を傷つけてしまうから・・・。
だから、僕は一人でいい。その方がいい。
でも、いつも包み込んでくれるあたたかさは嫌じゃない。
落ち着く、哀しくない。ずっと包まれていた。
誰だろう…よく知っていると思う。とても好きだと思う。
悲しんでいる。
泣いている。
あの時、僕は見たんだと思う。
輝く女性を・・・・。
前にも会ったことあると思う。
でも、思い出せない。
誰だろう・・・・。
あ・・・・
あ・・・・
分からない・・・・。
「ねぇ、シンジ・・・・。キスしようか。」
アスカは、反応の無いシンジに声を掛け、
おもむろにキスをした。
キスはサードインパクト前にしたあれだけだった。
あたたかい・・・。
僕は、僕は、僕には・・・・帰るところがあるのだろうか・・・・。
帰っていいのだろうか・・・・。
わからない。
でも、この感覚、嫌じゃない。
あたたかい。
僕はもどっていいの?
僕はア・・の元に返っていいの?
ア・・は受け入れてくれるの?
答えてよ・・・・。
答えてよ・・・。
誰でもいいから答えてよ!!
寂しいよ・・・・。
苦しいよ・・・・。
答えてよ!!
アスカ・・・・。
「はっ・・・・・ここは・・・・・。」
僕は動かない体を無理に起こし、ゆっくり動かした。
一室のベットに横になっている。
状況が判断できない。
「きょ、が・・・・・。」
声がかれている。
僕はゆっくりゆっくりベットからはいでた。
立てない。
歩くこともままならない。
車椅子のところまでよじ登った。
息が切れる。
心臓が高鳴る。
急な動きで心臓に負担を掛けてしまったらしい。
「体が・・・・動かない・・・。」
必死にしがみ付いた小さなカラーボックスが僕の体重ですごい音を出しながら倒れた。
何とかカラーボックスのに下敷きならずにすんだ。
ドアを開け、アスカが飛んで入ってきた。
「な、何があったの・・・・あ、あ、あ・・・・シンジ?
シンジ!シンジ!シンジ!シンジィー−−−−−−−−!!!」
「あいたたたたっ・・・・・。」
僕は頭を抑え、何とか仰向けになった。
そこへアスカが近づいてきた。
「シンジ、シンジだよね・・・・・。」
「アスカ・・・・どうしたの?そんなに大人びて、化粧して・・・。
ミサトさんが見たらどう言うだろうね。ははは・・・・・。」
「バカ・・・・。あんたが、あんたが眠りつづけて・・・・・もう11年経ったのよ・・・・。」
アスカは僕に抱きつき、大粒の涙を流した。
こんなこんな素敵な人が待っていてくれたんだ。
僕は、ここに帰ってきていいんだ。
帰ってきて・・・・・。
ただいま・・・・・。アスカ。僕の、大切な人・・・・。
僕は、半年間のリハビリを終え、アスカに結婚を申し込んだ。
「バカ・・・・ありがと。」
そのときの笑顔は一生忘れられないと思う。
これから、僕たちは失った11年を取り戻していきたい。
そう・・・アスカと、いつまでも・・・・・。
fin
デニム「Jackalさんより、『花火―hanabi―』の続きをいただきました…それにしてもすぐにいただけるとは」(^^)
アスカ「と〜ぜんよ。ずっと背後で脅してやったし」
デニム「脅して…って、どうやって…」
アスカ「44マグナムを脳天に押し付けてやったのよ。フフンッ」(^_^)
デニム「な、なんてことを」(^^;
アスカ「問題ないない。それよりも、アタシに銃を向けられることを光栄に思うべきだわ!」
デニム「(…いつかお詫びをしないと)」
アスカ「ん?どうかしたの?」
デニム「いえ、なんでも…Jackalさん。ご投稿、ありがとうございました」(^^)
Jackalさんの感想はこちらにお願いします。
jackal@free.japandesign.ne.jp
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